メディカルコラボレーション

手で
先日、アルツハイマー病につながるたんぱく質が脳に異常に蓄積しているかどうかを血液から判定する方法が開発されたというニュースが大きな話題になりました。アルツハイマー病の発症前検査に使えるだけでなく、発症を抑制する薬の開発にもつながるため、非常に大きな意味を持つことは間違いありません。

今回、私が驚いたことは、ノーベル物理学賞受賞者の田中耕一さんが開発された質量分析法がこの研究を主導したという事実です。ノーベル賞の受賞当時から、その分析手法が医薬開発に大きく貢献する可能性について触れられていましたが、私自身、その根拠や概念をまったく理解できずにいました。今回このように具体的な成果を見せられて初めて納得できたというのが正直なところですが、あらためて感じることは、もはや単一のカテゴリーにおける研究だけではイノベーションは起こせないということです。

例えば自動車産業においては、随分以前から機械系のエンジニアよりも電気電子系や情報系のエンジニアを積極的に獲得する動きが常態化していますが、そうした施策は、多くの機能部品において従来の機械式制御と電子制御との融合を促し、自動車の動きをより精緻にコントロールしたり快適な乗り心地を実現することに繋がっています。

医薬品の世界でも、ドラッグデリバリーシステムなどのテクノロジーや遺伝子工学の優れた技術は、効果効能や安全性という面において従来の医薬品の価値を格段に飛躍させています。

近年、疾病の複雑化が進んでいると言われる中、新規化合物の発見は既に限界に近づいているともいわれていますが、こうした状況を打破するエポックメイキングな治療薬を開発するためには、従来の概念にとらわれずカテゴリーの垣根を越えたコラボレーションを一層加速させていくことが必要だと言われています。ただ、その具体策を誰も示せていないようにも感じるのですが、今回の分析・解析技術と医療のコラボレーションは一つの方向性を示しているように思えます。

世界には未知の技術を探求しているベンチャーや大学組織がありますが、そうしたチームの発掘・情報シェア・連携などを専門に模索するような部門を製薬会社の中においても良いのではないかと思いました。

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