強い中堅企業

事務所ビル
いつの時代も就活生の本音は「大企業に入りたい」ということだと思いますが、ここ数年、特にその傾向が強まっているというデータがあります。大手就職サイトを運営する会社が毎年行っている就活生の意識調査では、学生の大企業志向が驚くほど高くなっており、且つ、定年までそこで勤め上げたいという人が大半という結果になっています。

考えてみれば、昨今の就活生の世代は、物心ついたころにはバブル経済が崩壊し、失われた20年といわれる時代を生きてきたので、就職という人生の節目で保守的な思考をすることはごく自然な流れなのかもしれません。

しかしその一方で、多様な価値観を有している彼らであるからこそ、もっと柔軟な発想で自身のキャリアを考えてもよいのではないかとも思います。

先日、中堅企業研究会という組織がそのホームページで「強い中堅企業のかたち 中堅企業研究会レポート2014」という考察を発表しましたが、ここで示されている視点は就活を考えるうえでもとても役に立つと感じました。

産官学各界の有識者によって今年5月に発足した中堅企業研究会は、様々な中堅企業が直面する課題を調査分析して解決策を示したり、経営者への情報提供を行ったりすることを目的とする研究会のようですが、本レポートでは、「ミッションコア経営」を中堅企業の指針とすることを強く提唱されています。

私の解釈では、このミッションコア経営とは、「明確で優れた経営理念を中心に、社員がその意図を正しく理解・共有し、現場では目先の利益よりも顧客のベネッフィトを徹底的に追求することでその理念を実践する」経営スタイルということになりますが、こうした経営こそが顧客からの信頼を生み、ひいてはその信頼が企業のブランディングに寄与しながら利益となってかえってくるという好循環を生むとされています。

MBAのカリキュラムでもこうした経営手法を科学的に分析する機会は多くあると思いますが、この経営スタイルが、創業100年を超える26,000社の老舗企業に共通しているという考察はとても興味深く感じます。

これからの就活シーズン、企業の採用担当者は自社の強みにフォーカスした企業プレゼンに全力を注いできますが、就活生の皆さんは少し冷静な視点で、その企業の強みが100年先の繁栄のエンジンとなり得るかどうかを考えてみてはどうでしょうか。現時点の企業規模の大小や名声の有無よりも、この先の成長を確かなものにするプロセスの有無が大切なように思います。

この先、定年の年齢が一層高くなることを考えると、今の就活生は50年ほどは働いていくことになるのですから。

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