細胞医薬品というイノベーション
医薬品業界はまさにサイエンスの結晶です。
文系出身の私には残念ながら難しいところまでは理解できないことがたくさんありますが、今回 開発された細胞医薬品がいかに画期的であるかということは容易に理解できます。
JCRファーマ社のプレスリリースによると、同社は9月26日に急性移植片対宿主病を対象とした日本初の細胞医薬品の承認申請を行ったということですが、それは、健康なドナーから採取した骨髄液から間葉系幹細胞を分離したうえで拡大培養して製造するそうです。
幹細胞が持つ、傷を治したり炎症を鎮めたりする機能を活用する薬剤ということで副作用も少なさそうに思えますが、人間の自然治癒力を活用しているという意味で本当に画期的だと思います。
実際に治験に参加した患者さんの症状も劇的に回復し、治療に関わった医師もかなり効くという実感を持っておられるというニュースも耳にしましたが、このような画期的な新薬が脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病やがんなど、幅広い病気の治療に利用できるのではないかという研究が進んでいるということにも大いに期待したいと思います。
昨今、メガファーマ各社がバイオベンチャー企業を買収する動きが加速していることは周知の事実ですが、企業規模が小さくても本当に価値ある研究を行っていれば大手の支援を受けて製品化できるという事例が今後増えてくれば、イノベーションを起こす起爆剤となり、広い意味で医薬品業界がまた活性化されてくるのではないかと思います。
私自身は薬剤の研究開発については全く門外漢ですが、「人」「キャリア」という切り口で少しでもこの業界のお役に立てればとあらためて思います。