キャリアトレンドの多様化

成長を育む
スイスにあるIMD Business Schoolの研究グループが示している4つのキャリア分類がとても興味深い。

要約すると、

① ピラミッド型組織で上位の地位を目指し責任範囲や影響力を拡大する階層的キャリア

② 自身の得意とする領域内で専門性を追求していく専門的キャリア

③ 専門領域をコアにしつつ周辺まで幅広く知識やスキルを拡大するスパイラルキャリア

④ 比較的短いスパンで自分にとって新しい分野に挑戦し続ける変革型キャリア

ということになるが、まさに個々の持つ価値基準や行動特性に基づいて分類されていると考えられる。

このところ、女性のキャリアについて頻繁に語られるようになってきているが、どうも上記①ばかりを強く意識し過ぎているように感じる。実際、指導的立場の30%に女性を登用するという考え方のもと、管理職の即製プログラムを躍起になって導入したり、先行する他社の取り組みを熱心に視察する企業も多い。

もちろんそれ自体を何ら否定するものではないが、盲目的に施策を展開する前に、“キャリア形成”という言葉を真剣に再定義すべきではないだろうか。

元来、キャリアという概念は、社員と会社の双方の要求を高次元で満たすために存在する考え方である。会社は、顧客に提供するValueを高めていくために個々の社員のValueを最大化させる必要があり、個人は、自身の価値基準やライフプランなどに応じた多彩な働き方を通して会社への貢献を最大化させたいというニーズがある。その両方のニーズを同時に達成するために共通言語化されたフレームワークが必要になってくるが、それが “キャリア”という概念なのである。要するに、キャリアとは、個人と会社の双方の成長を有機的に連動させるためのツールなのである。

女性管理職の比率は、どの組織にとっても数値目標化しやすくまた成果も出しやすいKPIだといえる。しかし、そればかりに気を取られ、本来整備すべき “個を活かす多彩な働き方の整備”を怠っていると、女性管理職が30%になっても会社のニーズも個人のニーズも満たされない結果が待ち受けることになるのは言うまでもない。会社は、早急に多彩なキャリアモデルを確立し、それが会社の成長エンジンになるということを示していかなくてはいけないのではないだろうか。

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